胃カメラと内視鏡の違い

胃の内部を観察する検査の手法として、胃カメラや内視鏡が思い浮かぶかと思います。現在は、どちらの単語も同じ意味として使われていますが、そもそもは違った方法であったことをご存知でしょうか。

まず胃カメラは、1950年代に開発および日本で導入された医療機器で、異内部を照らす多面豆電球がついたチューブ状の形状をしていました。機能は写真撮影のみで、胃の中をリアルタイムで映像化して観察することはできません。導入当時は検査時間が長時間に渡り、患者への負担も大きいものでした。しかし、胃カメラが登場した当時は、画期的な技術として高く評価されていました。

一方、内視鏡は1970年代に導入された、胃カメラより新しい技術のことを指していました。胃の中にチューブを挿れることは同様ですが、光ファイバーの技術が採用されているという特徴があります。改良が進んだ現在では、超小型カメラが取り付けられ、胃の中をリアルタイムで観察することができるようになっています。

このように胃カメラは内視鏡よりも先発の技術ですが、現在は「胃カメラ」といえば内視鏡のことを指す形になっています。さらに近年においては、医療技術の発展により、内視鏡も精度向上や小型化が進み、負担の少ない検査方法として広く普及されています。同時に、患者の負担を少しでも減らすべく、チューブがついていないカプセル型の内視鏡も開発が進んでいます。これが広く実用化されれば、内視鏡の在り方も大きく変わってくるでしょう。

看護師は知っておきたい!内視鏡の洗浄・消毒の重要性

内視鏡の洗浄および消毒は、内視鏡室で働く看護師が担っています。この内視鏡の洗浄・消毒は、絶対に気を抜いてはいけない業務です。実際、内視鏡機器を介して感染事故が起きた事例が報告されています。

消化器内視鏡による感染を引き起こす病原微生物には、細菌では「緑膿菌」「サルモネラ菌」「ヘリコバクターピロリ」「O157」などがあるとされます。緑膿菌は健康な腸内に生息しています。サルモネラ菌は人や動物の消化管に生息する腸内細菌です。ヘリコバクターピロリ、つまりピロリ菌は、胃粘膜上皮に付着して尿素分解酵素を産生し、胃内の尿素を分解してアンモニアを発生させます。O157は毒性が非常に強い、病原性大腸菌の一種です。

内視鏡により、感染するのは細菌だけではありません。ウイルスならば「B型肝炎ウイルス(HBV)」「C型肝炎ウイルス(HCV)」などがあるといいます。真菌では「バイゲル毛芽胞菌」、原虫では「糞線虫」などに感染する可能性があります。

これらの細菌、ウイルス、真菌、そして原虫への感染を引き起こす原因は、不適切な消毒液の使用、内視鏡や処置具の不十分な洗浄です。特にワイヤーを巻いた鉗子類などは洗い残しが起きやすいため、注意が必要です。

また、B型肝炎ウイルスの過去の感染事例では、胃出血の患者に内視鏡スコープを使用し、3ヶ月後に急性B型肝炎に罹患した例が報告されています。こうした感染を避けるためには、適切に器具や機械を消毒すること、しっかり洗浄を行うことを徹底しなければなりません。

内視鏡室で働く看護師は、こうした過去の事例を把握したうえで作業にあたることが大切です。もし今後、こうした内視鏡室で働きたいと考えているなら、内視鏡室の看護師の概要を一読しておくことをおすすめします。